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武子は他の3人と違い、親から「あんたは売りものだ」と言われ、将来自分が遊郭に売られると知りながら育ちました。
武子は器量も良く、そこそこ教養もあったため、女将さんに目をかけられて芸妓になるための稽古を付けてもらう事になり、4人の中では最も恵まれた環境に身を置くことになります。ちなみに芸妓は女郎などと違って身体を売ることはなく、徹底的に仕込まれた芸によってお客を喜ばせます。
順調に芸妓として出世の道を歩んできた武子ですが、突然ある男性と心中をはかりますが、寸前で保護されます。その後、八幡神社で結婚式の巫女を務めていた武子にある悲劇がおこります。この事件の後、武子は一人前の芸妓となり「九条」という名前をもらう事になります。
幕西遊郭で一番の芸妓として地位を得た武子（九条）は、財界の有力者を旦那に持ち、地位と財力を後ろ盾にしながら狂気の道を歩む事になります。
自分を一人前の芸妓に育ててくれた女将さんへの裏切り。その裏切りを陰で支えていたパトロンへの裏切り。華やかな芸妓としての人生の裏で、人を裏切りながらでもしたたかに生き抜いていく強い女として武子は描かれています。
武子（九条）は、梅（夕湖）とは違い、自分の道を歩んでいくのが対照的で物語の深さになっています。
ぜひ自分の目で彼女たちの生きざまを見ておきましょう。
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